母乳育児を続けているママによくあるトラブルー授乳中のおっぱいのしこり、ほぐし方がわからないから、痛くないから、といって放置していませんか。
このしこり、そのままにしておくと、腫れて痛みや発熱を伴いはじめて乳腺炎になってしまうかも。
授乳期間中に、乳房に触れるとしこりを感じることは珍しいことではありませんん。授乳中のしこりは、正しいケアや予防方法を実践することで、悪化するのを防ぐことができます。
筆者も授乳期間中には、よく乳房のしこりに悩まされましたが、きちんと授乳時にほぐしたり、赤ちゃんの母乳の飲ませ方を工夫したりすることで、しこりを撃退することができました。
今回は、痛みや発熱を伴わない乳房のしこりの対処法と、繰り返さないための予防法をお伝えします。
Contents
授乳中のしこりの原因
授乳中のしこりは、ズバリ、乳房内の一部分に母乳が溜まることによって起こるトラブル。まずは、どうして母乳が溜まってしまうのかを解説します。
母乳の飲み残しがしこりになる
よくあるのが、母乳の飲み残しが、乳腺や乳管の同じ部分にたまり、それが蓄積されてしまうケース。母乳の飲み残しには、複数の原因が考えられます。
- ママの乳腺が細いため、母乳が出にくい
- 赤ちゃんの乳首のくわえ方や角度がいつも同じ
- 赤ちゃんの飲む力が弱い
- 赤ちゃんのくわえ方が浅い
ママの乳首にある、数個から十数個の「乳口」と呼ばれる乳腺の出口。この部分を通って母乳が出てくるわけですが、まだ出にくい乳腺があったり、赤ちゃんが同じ方向からしか吸っていないと、飲み残しが生じます。
また、赤ちゃんの飲む力が弱かったり、赤ちゃんが乳輪部まで深くくわえることができていないと、母乳が十分につくられていても、余ってしまい、それがしこりになりやすくなります。
乳口の炎症によるもの
「乳口炎」とは、母乳の出口である乳口が炎症を起こしている状態や、乳口が塞がれて母乳が詰まってしまっている状態のこと。この「乳口炎」もしこりの原因になります。
しこりがあるとき、乳首の先に黄白色の分泌物がついていたら、乳口炎の可能性あり。この黄白色の分泌物が乳首を覆うと、炎症が起こって母乳の出口をふさがれて母乳の分泌ができなくなってしまうのです。
授乳中のしこりの対処と予防ー母乳の飲ませ方、しこりのほぐし方
授乳中の乳房のしこりの対処や繰り返さないように予防するのに一番いいのは、赤ちゃんにこまめに飲んでもらうこと。抱き方を変えて、いろいろな方向からまんべんなく吸ってもらうことがポイントです。
しこりの部分別ー母乳の飲ませ方
赤ちゃんは、あご部分の吸てつが強いので、しこりがある部分に赤ちゃんのあごがくるようにするといいですよ。では、具体的にしこりの部位別に、どのように母乳を飲ませたらよいのかを紹介していきます。
乳房の上または下にしこりがある場合
授乳時に横抱きの多いママは、乳房の上下に母乳がたまりがちです。乳房の上、または下部分にしこりがができた場合は、たて抱き、または交差抱きで授乳しましょう。
たて抱きは、赤ちゃんの姿勢をたてて、正面から乳首をくわえさせます。赤ちゃんをまたにまたがらせて、首を支えるのがコツ。
ただ、まだ首が座っていないときは、交差抱きはママにも赤ちゃんにとっても負担がないのでおススメ。
交差抱きは赤ちゃんの姿勢が斜めになる抱き方。授乳クッションの上にバスタオルを丸めてバスタオルを赤ちゃんの頭部分にしいたり、あぐらをかいて、片足をたてたりすると安定します。
それでも、乳房の上の部分のしこりがなかなかとれない場合、筆者は、添い乳で赤ちゃんのあごが乳房の上部分にくるようにして授乳していました。つまりママは、赤ちゃんの股から足元の部分を見ながら授乳する状態。
あるいは、仰向けになっている赤ちゃんの上で、ママが逆さま向きで四つん這いになって、あげるという方法。どうしても上のしこりがとれないときは、試してみてください。
乳房の外側にしこりがある場合
乳房の外側にしこりがある場合は、フットボール抱きとよばれる抱き方でしこりを撃退。アメフト選手がフットボールをわきに抱えるように、赤ちゃんの位置をクッションなどで乳房の高さに合わせて、小わきに抱えるスタイルです。
首がすわらないうちは、このスタイルでも楽に授乳できます。
乳房の内側にしこりがある場合
乳房の内側にしこりがある場合は、横抱きで母乳を飲ませましょう。でも、内側が張っているというお母さんは、あまりないかもしれません。
というのは、多くのママは、授乳のときにママにとっても赤ちゃんにとっても自然なスタイル横抱きをしているから。ママと赤ちゃんのお腹をしっかりくっつけて授乳しましょう。
しこりのほぐし方ーまずは赤ちゃんの顔の向きやくわえ方を確認
赤ちゃんに上手におっぱいを吸ってもらうためには、まず、赤ちゃんの顔がまっすぐに乳首に向いているかを確認すること。
赤ちゃんの顔が乳首に斜めに向かっていると、乳首を加えにくいので、浅く吸うことしかできないんです。この姿勢では、赤ちゃんが吸ってもおっぱいへの刺激が弱く、母乳がうまく飲めないばかりか、乳首を傷つける原因にも。
赤ちゃんの顔がまっすぐ乳首に向かうように、クッションやバスタオルなどを使って高さを調整しましょう。
正しい向きであることを確認したら、赤ちゃんに乳輪部分を覆うように、大きな口でパクっとあひる口で吸ってもらうことがポイント。浅いくわえ方だと、飲み残しができて、しこりの原因になります。
しこりがあるときのほぐし方は、赤ちゃんの頭を支えているのとは反対の手で、乳房を支えて、親指でしこりのある場所を圧迫します。
優しく圧を加えながら、徐々にぐぐーっとしこりを乳首に向かって流すように。赤ちゃんがむせないように、ゆーっくり、しこりを押し出しながら、飲ませましょう。
下着はゆったりとしたものを
授乳中のブラジャーによっても、部分的に母乳がたまりやすくなることが。乳房を圧迫するようなカップや細い肩ひものブラジャーを身に着けていママは要注意です。
また乳首が蒸れやすい状態にあると、乳口炎にもなりやすくなります。乳首に密着するブラジャーは、母乳育児を卒業するまでは、しまっておいて、授乳中の下着はゆったりめのものに替えましょう。家にいるときは、ノーブラで過ごすのもありですよね。
授乳中にしこりができたときの正しいケア方法
しこりができた場合は、さきほど紹介した予防策と同じように、まずはいろいろな角度から赤ちゃんに吸いだしてもらいます。
赤ちゃんの飲む量より母乳の分泌量のほうが多くて、おっぱいに張りを感じるときは、乳房の張りが軽くなる程度の搾乳なら大丈夫。授乳後に少し搾乳すると、張りが解消します。
ただし、必要以上に搾乳すると、同じく母乳の分泌がますます盛んになってしまうのでご注意を。
温めたりマッサージは逆効果
しこりがあるときは、ついつい、もみほぐしたくなってしまいますが、しこり部分をマッサージをすると、乳腺を刺激してしまいます。
刺激が加わると、「もっと母乳が必要なんだ」とおっぱいが勘違いして、ますます母乳の分泌を促して、さらに大きなしこりができやすくなってしまうことも。
しこりがある部分を温めたり、もみほぐしたりするようなマッサージは、くれぐれもやめておきましょう。
しこりが消えなかったり、痛みや発熱を伴うときは早めの受診を
授乳中には、乳腺や乳管に母乳が溜まって起こるしこりがほとんどですが、それ以外のもの原因となってしこりになることも。病気が隠れていることや、非常にまれですが、授乳中でも乳がんにかかるケースもあります。
抱き方を工夫して授乳を続けても、しこりが消えなかったり、痛みや発熱を伴ったりするきは、早めに産婦人科や母乳外来、乳腺外来などで診察を受けるようにしましょう。
まとめ
筆者は、左のおっぱいのほうが母乳がよく出たため、左側ばかり飲ませがちだったところ、右側のおっぱいの一部分にしこりができてしまいました。
助産師さんからアドバイスをもらい、まずは出にくいおっぱいの方から母乳をあげて、左右交互に授乳するようにしたら、4日程度で自然としこりが消えました。
しこりがあるときは、分泌した母乳の流れも滞っています。そうすると、母乳もつくりたての新鮮なものではなくなり、味にも変化が。
赤ちゃんは、いつも飲んでいる母乳の味の変化に敏感なので、母乳の流れが滞っていると、乳首をかんだり、口で引っ張ったりすることも。こうしたサインに気がついたら、乳房にしこりができはじめていないか、疑ってみてください。
産後から3ヶ月頃までは、赤ちゃんが母乳を飲む量と母乳の分泌量が一致していないのは、よくあること。赤ちゃんの吸てつが強くなってくると、飲み残しが少なくなって、しこりもだんだんできなくなってきますよ。
それまでは、たて抱きや横抱きなど、いろいろな角度から授乳をしながら、しこりをほぐして、対処、予防しましょう。授乳中のしこりと戦うママを応援しています。
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