母乳育児応援ブログー管理人プロフィール

高いところに登るのが好き。スカイツリーと富士山は制覇したけど、エベレスト山はまだ途中までしか登っていません。次に目指すはキリマンジャロと思っていますが、いつのことになるやら。

20代後半から中米やアフリカでボランティア活動をし、帰国してからは保健医療系の国際NGO(非営利団体)で働いています。

開発途上国とよばれる国に、仕事で、プライベートでたくさん訪れました。

 

アフリカの国々の田舎では、赤ちゃんを抱っこしたお母さんが、道端でも人前でもおっぱいをてろーんと出して、どこでもかまわず授乳。

母子保健関連のプロジェクトに関わっていたこともあり、母乳をあげるお母さんたちの姿をたくさんみてきたので、赤ちゃんが生まれたら母乳をあげるものだと思っていました。

 

が、いざ自分が出産すると、母乳が全然出ない。

「あれ?赤ちゃん生まれたら、自然に母乳って出てくるもんじゃないの?」

あまりにも出なくて、泣いたこともありました。

 

出なかった時期を超えたら、出過ぎて張ったり詰まったり・・・次々に起こるおっぱいトラブルに翻弄されながらも、助産師さんにもたくさんサポートしてもらって、なんとか母乳育児初期を乗り越えました。

今では、「母乳育児を頑張ってよかった」と心から思えます。

 

が、第1子を出産した後を振り返ってみると、母乳不足やつまりなどのトラブルに悩まされて、あまり育児を楽しめていなかったな、とちょっと後悔。

このあまり笑えていなかった数ヶ月の期間がもったいなかったと思っています。

 

赤ちゃんの成長はあっという間。かけがえのない赤ちゃんとの時間が、リラックスして幸せな時間になるように、

「母乳が出ない~!」
「母乳が足りない~!」
「胸が張って辛い~!」

などと、母乳育児でつまづいているママさんの助けに、少しでもお役に立てれば嬉しいです。

 

そもそも筆者が母乳をあげなければいけなかった理由は、ミルク代を節約しないと生活が苦しかったから・・・なぜなら、外国人の夫と結婚したときは貯金はほとんどなし、旦那の仕事もなし。

もうひとつは、ミルクをあげるのがめんどくさかったから。夜中に赤ちゃんが泣いて、それからミルク作って、飲ませ終わったら哺乳瓶洗って消毒して。とにかく夜は眠かったんです。

 

ズボラな筆者には無理でした。

おっぱいなら、夜中に赤ちゃんが泣いても、乳出して添い寝しながらあげるだけ。あげおわったら、おっぱいしまって(たまにしまい忘れていましたが)寝るだけ。

 

それだけじゃなくって、母乳育児のメリットってたくさん。

経済的にも助かるし、外出先でもおっぱいさえ持っていければ手間いらず。産後、子宮の回復も早まるし、たくさん食べても全然太らないし、ダイエット効果抜群でした。

 

そのほかにも、母乳には免疫物質がたっぷり含まれているから、赤ちゃんが風邪ひきにくくなるとか、脳の発達を促す乳糖もたっぷり含まれているとか、いいことだらけ。

アホなことばかりやる長女をみていると、筆者のおっぱいには乳糖が含まれていなかったのか、と思うこともありますが、それはさておき…..

何よりも、母乳育児はスキンシップが自然にできる。母乳あげている間、オキシトシン出まくっていました。

 

このブログに載せてある情報は、筆者や友人の体験、助産師さんからきいた話などをもとにしています。母乳育児を目指すママにとって、授乳トラブルや、授乳方法で悩むのは当たり前のこと。

気負わずに、リラックスして、母乳育児を進めていってください。赤ちゃんにとっても、家族にとっても、ママが笑顔でいるのが一番です。

 

ちょっとだけ、国際協力のお話

こんな話を聞いたことがありますか。

昔、とある有名な、お金持ちの援助組織が、「栄養がある」「エイズ感染が防げる」と、アフリカの母親たちに粉ミルクと哺乳瓶を配りました。

アフリカの母親たちは、ただでもらえたこともあり、とても喜んで粉ミルクと哺乳瓶を使い続けました。

 

ところが、問題は、途上国では「安全な水」がまず手に入らない。つまり、衛生的に問題なく飲める水を手に入れるなんて、ほぼ不可能なのです。

今でこそ、ペットボトルを買うこともできますが、当時はそれもなかったし、今でもペットボトルの水を買うのは、一部のお金持ちだけ。

粉ミルクを溶かすためには、安全な水が必要ですが、そんな水は手に入らないので、母親たちは、溜まった雨水やその辺の川の水を使って粉ミルクを作るしかなかったのです。

もちろん、哺乳瓶を煮沸して消毒する道具もないし、煮沸が必要といった知識もありませんでした。

結果、どうなったかわかりますか。

 

哺乳瓶の中には、すぐに細菌が大発生。その細菌の姿は見えるものではないし、母親たちにはそのような知識もありません。

その哺乳瓶を使って、決してきれいではない水で溶かした粉ミルクを、自分の赤ちゃんに飲ませ続けた結果、赤ちゃんはひどい下痢になってしまいました。

 

でも、粉ミルクと哺乳瓶がいいものだと教えられた母親たちは、それが原因だとは気がつかずに、大量に菌がまじっているミルクを飲ませ続けたのです。

そして、何十万人もの赤ちゃんたちが、死にました。

これは、本当のお話。

国際協力の大失敗です。この反省から、今ではこういうようになりました。

お母さんが、母乳を赤ちゃんに与えることは、何よりも素晴らしいこと。粉ミルクよりも、母乳の方が、栄養に富んでいます。

母乳をあげることは、なによりも、母と子の愛情をはぐくむのです。

 

筆者がマラウイにいたときの話

近所に住んでいた若いお母さんが、出産後数日たって、亡くなりました。

赤ちゃんはおばあちゃんにひきとられましたが、どんどんやせ細って、元気がなくなっていきました。

ある日、おばあちゃんが「牛乳を買うお金がないから、助けてくれないか」と筆者の家にきました。

 

話を聞くと、赤ちゃんがお腹を減らして泣くから、買えるときだけ、牛乳を買って与えていたとのこと。衝撃でした。

粉ミルクは高級品で、都会に住む一部の人しか買えなかったのです。

しばらくして、おばあちゃんはどこかへ引っ越してしまったので、その赤ちゃんがどうなってしまったのかは知りません。

 

世界の多くの国では、妊産婦死亡率や乳幼児の死亡率が、日本に比べて圧倒的に高いんです。

ユニセフの統計によると、開発途上国では、5.3秒に一人、5歳の誕生日を迎えることなく亡くなっているそう。亡くなる原因は、日本では治療、予防できるものばかり。

 

わが子のことを大事に思う母親の気持ちは、どこの国でも同じはず。

自分の子どもをみながら、こうやってすくすく成長できていることが当たり前でないこと、感謝の気持ちを噛み締めている筆者です。