母乳不足を感じたら

産後1ヶ月過ぎー母乳が十分出ない、頻回授乳でも量が増えないのはなぜ?

赤ちゃんに母乳をあげ続けて1ヶ月経つけれども、まだ十分に出ない、量が増えないというママ、頑張ってきたのに、そろそろ諦めモードに入っていませんか。

母乳の量は、産後1ヶ月経ってからでも増えます。あきらめないでください。

 

筆者の場合は、長女を出産後、母乳の量が安定して、混合から完全母乳に切り替えたタイミングは、2ヶ月を過ぎた頃でした。

最初は、出なかったり出過ぎたり、みんな何かしらトラブルを抱えているもの。
むしろ、1人目の出産後に最初から母乳が順調に安定して出ているというママなんてほとんどいません。

今回は、筆者の体験も交えて、産後1ヶ月を過ぎてからでも、母乳の量を増やすためにできることをお伝えいたします。

 

産後1ヶ月ー頻回授乳でも母乳量が増えないときは吸わせ方を確認

産後1ヶ月過ぎても、母乳が十分出ないと思ったら、とにかく赤ちゃんに吸ってもらい続けることが大切。

母乳不足のママ
母乳不足のママ
頻回授乳をしてても、量が増えないんだよー。

と、頻回授乳をしているのに、母乳の出がいまいちなママは、吸わせ方をもう一度確認してみましょう。

 

母乳は、赤ちゃんが乳頭を吸うことによって、その刺激がママの脳に伝わって、ぼ2つのホルモンが分泌されることによって生産されます。

そのホルモンとは、母乳の分泌を促す「プロクラチン」と、母乳を絞り出す「オキシトシン」。

ところが、赤ちゃん上手に吸えていないと、その刺激がなかなかママの脳に伝わらないのです。

乳輪部までしっかり赤ちゃんにくわえさせる

母乳が出ないママによくあるのが、赤ちゃんにしっかりとくわえてもらっていないケース。赤ちゃんのくわえ方が浅いと、母乳は分泌されません。

自分の指でつまんで、乳輪部のどこを刺激すると母乳が出るかを確認してみるとよくわかります。乳頭だけを赤ちゃんに吸わせていても、母乳って出てこないんですよね。

 

まずは、授乳クッションや座布団などを準備して赤ちゃんをのせたら、ママの腕や肩に負担がかからないように位置を調整。片方の手で乳房を支えて、もう片方の手で赤ちゃんを引き寄せて、乳輪部まで深くくわえさせます。

このときに、ママの指が乳輪部にかかっていると、赤ちゃんがくわえにくいので、乳房はつけ根の部分をもって支えます。

 

乳頭だけ吸わせても母乳は出てきません。赤ちゃんの口を大きくあけてパクっと乳輪部まで、しっかりくわえさせましょう。

このときに、赤ちゃんの上唇と下唇が外側を向いて、アヒル口になっているかどうかがポイント。正しい姿勢で赤ちゃんに深くくわえてもらうと、ママの脳に刺激が伝わって、母乳分泌を促します。

乳頭や乳輪部がかたい場合には、授乳前にマッサージをしたり、ほぐす程度に少し搾乳したりするといいですよ。

吸わせ方の角度も大切

いつも横抱きなど、決まった楽な姿勢で吸わせていませんか。

つい楽な姿勢での授乳ばかりになってしまいがちですが、特に赤ちゃんの吸てつ力がまだ弱い低月例の頃は、色々な方向から吸わせることが大切。

 

筆者は最初横抱きばかりで授乳していたのですが、助産師さんからのアドバイスを受け、赤ちゃんを脇に抱えるかたちのフットボール抱きというのも、ときに試してみるようにしました。

すると、数か所だった母乳の出口が、他にも開通。結果、母乳の出口が増えることによって、母乳量がアップしたんです。

 

毎回同じ姿勢で吸わせていると、同じところばかり刺激され、刺激されない場所は、乳管という母乳の通り道が不開通のままに。

また、赤ちゃんに吸われずに刺激されない場所は乳管が開通しないばかりか、母乳がたまりやすくなるので赤ちゃんが飲みにくい原因になったり、しこりなどのトラブルも引き起こしやすくなります。

吸わせ方を時々かえて、母乳の出口を増やしてあげると、自然と赤ちゃんが吸って出てくる母乳の量も増えてきますよ。

 

産後1ヶ月から母乳量を増やすために、食事や水分補給量の見直しを

産後1ヶ月たって、母乳がまだ十分出ない、量が増えないというママは食事や水分補給がちゃんとできているか要チェック。なぜなら、母乳は血液と水分で作られているからです。

ちょうど産後1ヶ月たつ頃には、里帰り出産していたママが自宅に戻ったり、逆にお世話をしに来てくれていた親が帰ったりして、日中の赤ちゃんのお世話や家事をママが一人で行うことが多くなる時期。

かといって、産後疲れが完全にとれているわけでもなく、食生活もいい加減になりがち。だからこそ、きちんと食事や水分補給ができているかどうかを見直す必要があるのです。

1日3食ーバランスのとれた食事を

赤ちゃんのお世話をしながらだと、なかなか食事をゆっくりとっている暇もありませんよね。お昼を抜いたり、ときにはお昼は菓子パンやうどんだけなどと、偏った食生活になってしまいがち。

筆者が産院で指導を受けた栄養士さんによると、まずは1日3食を食べることが大切とのこと。

 

食事を抜くとその分母乳をあげるためのエネルギーも不足することに。時間がずれてしまっても、授乳しながらでもいいので、最低3食は必須です。

ちなみに、筆者は、1日4食を食べていたこともありましたが、母乳でカロリーが消費されるので、母乳育児中は、食べても食べても太りませんでした。

 

また、量もそうですが、バランスのよい食事をしているかどうかも、母乳を増やすためには欠かせません。これは授乳をしていなくても大切なことですよね。

授乳中だからといって、あれがいい、これはよくないというのを気にしていると疲れてしまいまうので、好きなものを中心でもかまわないので、要はバランスよく色々なものを食べているかどうかがポイント。

 

バランスのよい食事とは、炭水化物のほかにも、野菜、果物といったビタミン類や食物繊維、豆類、肉・魚・乳製品などのたんぱく質を十分に摂る食事です。

ときには、宅配サービスや、お惣菜、冷凍食品なども利用しながら、バランスのとれた食生活を続けることをこころがけて、母乳量アップにつなげましょう。

こまめな水分補給を

母乳は血液から出来ています。血液は食べたものから作られるため、食事に気を使わなくてはいけませんが、それと同じくらい大切なのが水分。

なぜなら母乳の90%近くは水分からできているからです。

 

普通の成人女性が1日に必要とする水分の量は2リットル。では、授乳中はというと、赤ちゃんの発育に必要な1日の母乳量は、大体体重1キロあたり約150ミリリットル程度です。

つまり、生後1ヶ月頃の4-5キロの赤ちゃんであれば約600-750ミリリットル前後の母乳を飲んでいることに。

そうすると、普通の成人女性が必要とする水分量2Lにプラスして、生後1ヶ月の赤ちゃんを母乳で育てるママには、少なくとも0.6L以上、合わせて3リットル近くの水分が必要なんです。

 

ところが、育児の忙しさも手伝って、そんなに水分をとれない場合も多いですよね。これが、母乳の出を悪くする原因になりますし、下手すると夏場には脱水症状にもなりかねません。

水分が必要だからと、一気にガブ飲みするのは、内臓に負担がかかるのでおススメできません。母乳育児を軌道にのせるためには、こまめに水分補給をすること。

 

ちなみに、牛乳やジュースなどは水分補給には向きません。水分補給としての基本は常温のお水や温かいお茶。暑いからと冷たいものを飲むと身体を冷やしてしまい、これまた母乳の出が悪くなる原因となるので注意が必要です。

筆者は毎日大きめのマグカップに温かいハーブティーをたっぷり入れて、ちびちびと1日に2~3杯飲むようにして、暑い日には常温の水やノンカフェインのお茶が入ったペットボトルをそばにおいて、授乳後には必ず飲むようにしていました。

その効果がてきめん。水分を多くとるようになってから数日後、胸がツーンと張ってきて、母乳が作られているのを実感することができたのです。

 

母乳が十分に出ない、量が増えないときは、身体を温めて血行を促進

母乳は血液からできているので、母乳が十分に出ない、量が増えないというときは、身体が冷えていて、血流が悪くなっているからということもあります。

乳腺炎などで、母乳の生産を一時的に抑えるためには、冷やして対処します。それの反対なんですよね。

身体が温まって血流が良くなれば、母乳の生産力もアップ。お風呂に浸かる時間を長くする、お風呂に浸かりながらおっぱいマッサージをする、温かい食事をする、飲み物を温かいものに変えるなど、工夫してみましょう。

体を温める食材を取り入れる

日々の食事に体を温める食材を取り入れることで、体の中から温めることができます。

冷えを解消する特効薬として有名なのは、生姜。毎日飲むお味噌汁やスープに、新鮮なすりおろした生姜を入れるだけでも、身体の冷えの改善を助けます。

 

体を温める食材の特徴は、寒い土地や時期にとれるもの、水分が少なく固いもの。人参、大根、ごぼう、れんこん、イモ類などの土の中で育つ根菜は体ものは温め、逆に土の上で育つ葉物は、冷やすと言われています。

生野菜は基本的体を冷やすので、生で食べるよりも、熱を加えて食べましょう。その方が血行をよくしていい血液をつくり、また量もたくさんとれます。

体を温める食材を積極的に毎日の食事にとりいれましょう。

適度に運動する

運動やストレッチも身体をあたため、血液の流れをよくします。軽い運動で大丈夫ですので、ときには、産後に凝り固まっている身体を動かしましょう。

1ヶ月健診が終わると、赤ちゃんもようやく外出できるようになる頃。ベビーカーに乗せて近くの公園に行くなどのお散歩は、運動にもなりますし、ストレス解消にもなります。

 

真冬で寒すぎたり、逆に真夏の猛暑で外に出られないときに、家の中でできる運動としては、雑巾がけがおススメ

四つん這いになって行う雑巾がけは、体全体を使う有酸素運動なので、血液の流れもよくなりますし、その上部屋を綺麗にできるので一石二鳥。

体を温めてマッサージすることで、母乳の出もよくなりますよ。

 

産後1ヶ月ー母乳が十分に出ないのは疲れがたまっているからかも

産後1ヶ月頃は、まだ慣れない育児よる疲れやストレスが溜まりやすい時期でもあり、それが原因で母乳が十分に出ないことも。

母乳の量には、ホルモンの分泌が影響しているため、自律神経の働きも大いに関係しています。疲労やストレスが溜まっていると、自律神経のバランスが乱れ、母乳の分泌を促すホルモンも正常に分泌されにくくなってしまうのです。

 

特に新生児は、昼夜関係なく寝たり起きたりを繰り返すので、ママも睡眠不足になりがちですよね。

「赤ちゃんが寝ている時こそ、家事をしなくては!」なんて思ってはいけません。
家事は最低限にするか、ときにはまったくやらず、日中に、赤ちゃんと一緒に寝ることが、疲労回復に繋がりますよ。

 

あなたが今疲れやストレスを感じて辛くなっているのなら、一人で頑張りすぎないこと。旦那さんに協力してもらって、休日はまとまった睡眠時間をとれるといいですね。

非協力的な旦那さんであれば、周りに相談できる人を見つけたり、行政のサービスを利用することも検討してみてください。

それも無理であれば、里帰り出産して帰ってきたばかりというママでも、もういちど実家に帰ってしまうのもありなのでは。

 

筆者の夫はイクメンと呼ばれるにはほど遠く、どちらかというと亭主関白タイプでした。筆者の実家は、新幹線を利用しても数時間かかるところにあるのですが、育児で夫にイラついたときに、何度か赤ちゃん連れで実家に帰っていました。

両親は孫の顔が見られて喜ぶし、夫は家事を全部しなくてはいけなくなり、妻のありがたさと、子どもがいない寂しさに気がついて頭を冷やせるし、すべてのママにおススメできる方法ではありませんが、筆者にとっては効果的な家出でした。

 

疲労がたまっていることが原因で母乳が不足している場合、とにかく身体を休めることを優先すること。ママの身体が元気になると、自律神経のバランスが整い、母乳の出もよくなりますよ。

 

まとめ

「1ヶ月も経つのに母乳がまだあまり出ない」って心配しているママ、大丈夫ですよ。まだ産後1ヶ月です。母乳育児をあきらめるのには、早すぎます。

まず、今までと違う授乳の仕方を試してみてください。いつもミルクを足しているママは、なるべく減らし、授乳回数を増やし、飲ませる角度も工夫するといいですよ。

ここで、ミルクを増やして赤ちゃんが吸う時間や回数が減ってしまうと、母乳の出がさらに悪くなってしまいます。

 

ママが疲れて元気がなくなるぐらいなら、混合栄養だって大丈夫。もし完全母乳に移行したいのであれば、母乳外来などでミルクを足す量を相談しつつ焦らず進めていきましょう。

母乳を増やすのにできることは生活にとりいれつつ、休めるときはしっかり休んで、何よりもママがリラックスしながら母乳をあげられることが大切。

赤ちゃんにとっても、ママが悩まずに笑顔でいられるのが一番なはずですよ。

 

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