無事に病院から退院して、母乳育児をスタートしたママ、最初は「母乳があまり出ない」と悩んでいたママもいるかと思いますが、こんどはおっぱいが張って苦労していませんか。
母乳不足で悩むママも多いなか、母乳がたっぷり出るというのは贅沢な悩みかもしれませんが、多すぎて困ることは、多々ありますよね。
何よりも、胸が張って痛いですし、その上に、授乳してもすぐに胸はパンパンに張っておさまらないーこれは、まさにおっぱいが出すぎるママに起こる悲劇です。
今回は、おっぱいが張って、授乳してもなかなか張りがおさまらない原因を徹底解説!予防とケア方法と合わせてご紹介します。
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おっぱいが張るー授乳しても張りがおさまらない原因
母乳がようやく出るようになってから約3ヶ月くらいの間に起こる、おっぱいの張りと痛み、授乳しても張りがおさまらないのは、「乳汁のうっ滞」が原因。
つまり、乳房に母乳が溜まって出ない状態です。
産後しばらく経つと、集まった血液がようやく乳腺内で母乳に変わりはじめます。ただ、ママの身体も母乳の製造に関しては新人さんなので、どれだけ母乳をつくったらよいかわからないんです。
赤ちゃんの需要に対して供給量がまだわからないから、とにかく母乳を作りまくる。結果、作りすぎてしまい、母乳過多状態になってしまうんです。
以下のような要因もあり、おっぱいは、授乳しても張りがおさまらないほどパンパンな状態になってしまうんですね。
- 母乳の分泌と赤ちゃんの飲むタイミング・量が合っていない
- 乳口が詰まりかけている
- 母乳過多ー赤ちゃんの必要としている量よりも多く作られてしまっている
最初の2-3ヶ月の間は、母乳をあげるママも母乳を吸う赤ちゃんも初心者ということもあり、最初は授乳がなかなかうまくいきません。
そのため、母乳の分泌量と赤ちゃんの飲むタイミングや量が整わず、乳房に母乳がたまって出なくなる状態が起きやすくなります。
赤ちゃんとママがお互いに時間をかけて、どのようにしたら吸いやすいか、タイミングやポジションなどを探りながら、呼吸を合わせていくことが必要なのです。
また、乳口がまだ十分に開通していないことで、乳管が詰まって、おっぱいが張る場合も。
乳管が一部詰まっているときは、部分的にしこりになり、複数の乳管が詰まっていると、乳房全体に張りを感じます。胸の張りがひどくなると、おっぱいが熱を帯び、微熱が出ることもあるので、甘くみてはいけませんよ。
混合栄養でミルクを足している場合にも、ミルクでお腹が満たされている赤ちゃんに、タイミングよく十分吸ってもらえず、飲み残しの母乳で、張りを起こすこともあります。
そんなママは、混合から完全母乳に移行する時期かも。助産師さんにも相談しつつ、赤ちゃんの体重増加を確認しながら、進めてみてください。赤ちゃんにたっぷり母乳を飲んでもらうようになるといいですね。
おっぱいの張りは頻回授乳で予防する
さっき授乳したばかりなのに、もうおっぱいが張ってきた、そんな状態は辛いですよね。
母乳が過剰に生産されずに、ちょうどよく出るようにするには、「吸われる⇒つくられる⇒絞り出される」という反応のリズムを定着させることが大切。
そんなときは、何時間ごとという授乳時間にとらわれず、リズムが整うまで頻回の授乳をしましょう。
欲しがったら吸ってもらう
出産後から、2-3ヶ月ぐらいまでは、ママと赤ちゃんの授乳のリズムがまだ確立していません。
病院では、3時間ごとと計画的な授乳指導をするところもあるかもしれませんが、赤ちゃんによって、たくさん飲む子、一度にたくさん飲まない子、食の細い子太い子など個性も様々。
赤ちゃんがおっぱいを欲しがるサイン(口をもぐもぐ動かしたり吸うような音をたてたりする、手を口にもっていくなど)を見逃さずに授乳することが、授乳のリズムの確立への近道です。
とくに、新生児の時期は、授乳時間ごとに母乳を欲しがるわけではありません。ぐっすり寝ている赤ちゃんを起こして、無理やり授乳するのでは、母乳を欲しがっているサインがわからなくなってしまいます。
そうすると、おっぱいが張る→赤ちゃんを起こさないと授乳できないという悪循環におちいることも。
ママと赤ちゃんのシンクロ率が高まって、吸われたら出るようになるようになる、受注生産型のおっぱいになるまでが踏ん張りどころ。
「まださっき授乳したばかりだから」と授乳時間を制限すると、母乳が溜まり、張りの原因に。低月齢のうちは、日中はなるべく3時間以内に授乳しましょう。
いろいろな角度から授乳する
乳口がまだ十分に開いていないときは、いろいろな角度から吸ってもらうことが大切。いつも同じ抱き方だと、母乳の吸い出し方に偏りがでて、乳房にしこりができる原因にもなります。
乳房内に母乳の飲み残しがないように、授乳時にいろいろな抱き方を試してみましょう。
授乳クッションがないときでも、バスタオルなどを使って、横抱き、たて抱き、フットボール抱きなど、色々な抱き方があります。
欲しがるたびに、姿勢を工夫しながらこまめに授乳すれば、自然と乳管が開通し、張りや痛みも治まりますよ。
授乳してもおっぱいの張りがおさまらずに痛むときの対処法
おっぱいの張りを和らげるには、赤ちゃんに吸ってもらって排出するのがいちばんですが、授乳のあとにも、おっぱいの張りがおさまらないときには、赤ちゃんの飲む量が少ないということも。
張りがひどいときには、絞った濡れタオルなどで冷やしながら授乳を続けるといいですよ。
ただし、冷やしすぎや氷などでの急激な冷却は、乳腺組織を痛める可能性があるので要注意。ガーゼタオルなどでくるんで、間接的に冷やすようにしましょう。
それでも、胸の張りが治まらないときや、痛みがあるときは、痛みがなくなるまで、一時的に搾乳をします。ただし、これは最終手段。
なぜかというと、搾乳でしぼり出した分も「赤ちゃんが必要としている」とおっぱいが勘違いをしてしまうから。搾りすぎはさらなる張りを引き起こしかねません。
あくまでも搾乳するのは、授乳したあとも痛みを伴ってつらいときや、おっぱいが張りすぎて赤ちゃんが吸いづらそうなときに、おっぱいが少し柔らかくなる程度まで、少しだけ。
全部絞り出したくりたくなってしまいますが、様子をみながら優しくしぼり、過度な乳房への刺激や搾乳は厳禁です。
おっぱいの張りの解消には、質のいい母乳づくりを
日頃からの質のいい母乳づくりをこころがけることが、おっぱいの張りを解消するのを助けてくれます。
カロリー控えめのバランス食を
母乳過多の体質のママは、母乳が詰まりやすく、乳腺炎にもなりがち。日頃から脂肪や油分の多いものを食べ過ぎないように、カロリー控えめのバランスのよい食生活をこころがけましょう。
母乳は「白い血液」とも呼ばれるように、母乳の質はママの血液の状態を反映しています。
健康的な血液はサラサラしている一方、コレステロールを摂りすぎると、ドロドロした血液に。赤ちゃんがおいしいと感じる母乳もサラサラした母乳です。
つまりママが血液がサラサラになるようにな生活をすれば、赤ちゃんにもおいしい母乳をあげることができるんですね。
「まごわやさしい」という言葉、聞いたことあるでしょうか。血液がサラサラになる食材をとり入れるためには、この「まごわやさしい」を意識するといいですよ。
- マ → マメ (大豆、納豆、豆腐、黒豆など)
- ゴ → ゴマ
- ワ → ワカメ(海藻類)
- ヤ → ヤサイ(季節の旬の野菜がおススメ)
- サ → サカナ(あじ、さんま、いわしなどの青魚や貝類)
- シ → シイタケ
- イ → イモ
水分をしっかりとる
授乳中は、どうしてものどが渇きやすくなります。ドロドロとした血液にしないためには、水分をしっかりとることも大切。
カフェインや糖分の多い飲みものはなるべく避けて、また身体を冷やさないように、なるべく常温や温かいものを飲みましょう。
胸の張りや痛みを緩和するのにおススメなのは、以下のお茶やハーブティーです。
- たんぽぽ茶 → 母乳の量をコントロールする
- セージティー → 母乳の分泌を抑える
- ペパーミントティー → 母乳の分泌を抑える
- ごぼう茶 → 血液をサラサラにする
- 葛根湯 → 詰まりや乳腺炎の予防に効果的
ただし、母乳過多体質のママは、水分を多くとりすぎると、母乳の分泌も促進されるため、過ぎたるは及ばざる如し。飲みすぎには注意してくださいね。
まとめ
おっぱいの張りの予防には、赤ちゃんが欲しがるだけおっぱいをあげることが一番。どうしても張りや痛みがおさまらないときは、冷やしたり、搾乳したりと適切な対処をしながら、おっぱいの張りが治まってくるのをを待ちましょう。
ママを悩ますおっぱいの張りは、赤ちゃんの吸う量とママの母乳の生産量が一致してくると、徐々に治まってきます。
また食生活を見直したり、水分をしっかりとることによって、血液をサラサラにして、母乳の質を高めることも、おっぱいの張りを解消する近道です。
パンパンに張っているおっぱいも、やがて、柔らかいマシュマロのようなおっぱいに。そして卒乳を迎えると、母乳をつくる必要がなくなったおっぱいは、一気にサイズダウン。
今はそれどころじゃないかもしれませんが、胸がしぼみ、ブラジャーのサイズが合わなくなると、パンパンに張って谷間の合った頃も、懐かしく思えるものですよ。