知っておきたいこと

高齢出産だと母乳は出ないって本当?年齢は母乳の分泌に影響する?

40代を超えて出産するママも増え、いわゆる高齢出産が増えているこの時代、母乳育児をしたいと願っていても、年齢のせいで母乳が出ないと悩んでいるママも増えてきています。

筆者も初産のときにはすでに高齢出産でしたので、その悩む気持ちよくわかります。

世間では、高齢出産だと母乳が出にくいという偏見もありますが、大丈夫。生物学上、母乳は高齢だから出にくいということはありません。

 

母乳の出は年齢に関わらず非常に個人差があるもの。出産直後から痛いほど胸が張って、赤ちゃんがまだたくさん飲めないため搾乳をしなければならない人や、いくら母乳マッサージをしても胸が張らずにミルクを足した、という人も。

今回は、高齢だと母乳が出にくいといわれる要因と母乳育児を成功させるためのポイントなど、高齢出産の母乳育児を検証します。

高齢出産だと母乳は出ないはウソー年齢と母乳の分泌は関係なし?

母乳の出方は、高齢出産であるか否かに関わらず、産後に母子同室であったか、ミルクを足していたか、頻回に授乳をしていたかなどで、大きく違いが出てくるもの。

年齢は関係なく、母乳は吸わせれば吸わせるほど出るようになります。つまり、母乳の分泌がスムーズであるかどうかは、年齢というよりは、産後1週間の母乳のあげ方に大きく左右されるんです。

では、なぜ高齢出産だと、母乳の出が悪いというイメージがあるのはなぜなのでしょうか。

高齢出産ママの産後1ヶ月の母乳育児率が低いわけ

高齢出産データ&ガイドによると、産後1ヶ月の初産の場合の完全母乳の育児率は、35歳以上が54.2%に対して、24歳~26歳は84.2%とかなりの差が。

ただ、これには社会的な背景もあり、高齢出産の場合は、仕事をしていて子どもを産むのが遅れたワーキングマザーが多いこと。

同時に重要なポストについていることが多いため、社会復帰を急ぐために粉ミルクとの混合栄養を希望する率も高いと指摘しています。

 

また、産後1ヶ月の母乳育児率が低くなる原因としては、高齢出産の場合、帝王切開の率も高くなるから。母親の身体を休ませるために、母乳よりも先にミルクを与えられることで、おっぱいの立ち上がりも悪くなってしまうというわけです。

他には、高齢=母乳が出ないものという偏見のため、最初から母乳育児をあきらめてしまって、混合栄養で育てているママも少なくはないでしょう。

 

つまり、高齢出産だから生物学的に出ないというよりは、産後1週間に帝王切開のため母子同室でなかったとか、頻回授乳をせずに、ミルクを最初から足していたということで、おっぱいの立ち上がりを遅らせていることは確かです。

高齢出産だと母乳が出にくくなる原因

年齢は、母乳の分泌に直接影響しませんが、高齢出産であると母乳が出にくい状況に陥りやすいということは確か。なんといっても、高齢出産ママは、産んだ後の育児自体がキツイんですよね。

基礎代謝の衰え

個人差はありますが、40代にもなると基礎代謝が落ちてきます。昔は靴下を履かなくても全然問題なかったのに、冷え症で冬になるとホッカイロが手放せなかったり、肩がこりやすくなったりとか、身に覚えはありませんか。

基礎代謝が悪くなると血行も悪くなり、血液からできている母乳もスムーズに出にくくなります。

体力の衰え

年を重ねて、落ち着きや度胸は増したかもしれませんが、20代だった頃に比べて明らかに落ちているのは体力。

筆者は、20代の頃はフルマラソンを何度か完走しましたが、今では5キロ走るのが精一杯です。体育会系のママでなくても、昔は徹夜しても翌日平気だったけど、今では寝ないと次の日の身体がもたないっていうことありますよね。

 

新生児のお世話で昼夜関係なく頻回授乳をしていると、どうしても疲れが溜まりがちになりになります。体力勝負の頻回授乳期には、やはり若さには勝てないという現実が。

体力を回復するために十分な睡眠がとれないと、母乳が作られにくくなり、出にくくなるため、睡眠不足、体力不足、母乳不足のトリプル不足に。

そうすると、ストレスもたまり、余計に母乳が出にくくなるという不のスパイラルに陥ってしまいます。

 

高齢出産でも母乳育児を成功させるために

高齢出産で母乳育児を成功させるためには、母乳の出を悪くする要因である基礎代謝や体力の衰えを、カバーするようにすること。

血行をよくし、体力の維持をするために、日頃の生活のなかで意識してできることがあります。

一日3食バランスの良い食事を

母乳育児のための体力の維持には、食べることが不可欠。授乳期中は、赤ちゃんのお世話をしながら片手で食べられる菓子パンや、簡単に調理できるうどんなどに、偏ってしまいがちなうえ、一食抜かしてしまったりしがちかもしれません。

まずは、時間がずれてもいいので1日に3食をとること。育児に必要なスタミナをつけられるよう、鉄分やたんぱく質をとりいれることを意識しながら、バランスの良い食事をこころがけましょう。

 

食材の選び方や食べ合わせを意識するとで、より効率的に摂取できます。料理する時間すらとれないときは、ときにサプリメントや酵素ドリンクなども取り入れながら、手間をかけずに栄養補給できるといいですね。

休めるときは休んで睡眠時間の確保を

体力を回復するには、睡眠がいちばん。わかってはいるけど、夜中にも頻回授乳で度々起きていると、授乳期ママは睡眠不足になりがちですよね。睡眠不足になると、ストレスもたまりやすくなって、イライラしやすくなってしまいます。

そんなときは、日中、赤ちゃんが昼寝をしているときに一緒に寝てしまうことで睡眠時間が確保できます。赤ちゃんが寝たら、スマホは脇において、ママも一緒におやすみなさい。

たった30分の仮眠をとるだけでも、母乳の出をよくするプロラクチンというホルモンが分泌されるようになります。

 

「赤ちゃんが寝ている間に家事を済ませてしまいたい」という気持ちもよくわかります。でも、筆者の経験から、家事はまったくやらなくたって1日や2日、問題ありません。

夕食の宅配サービス、あるいは家事代行サービスなどもあります。利用できるものはどんどん利用したり、ときには旦那さんに仕事帰りに外食してきてもらったりして、家事をやらない日をつくりましょう。

ママが疲れたまま育児をしているより、元気になって笑顔でいられる方が、赤ちゃんにとっても家族にとっても嬉しいはずですよ。

身体を温めて冷え症を改善

もし若い頃に比べて、身体が冷えやすくなっているというママは、母乳が出にくいのは冷えが原因なのかも。

血液でできている母乳は、血行が悪いと上手く分泌されないので、母乳の出を良くするためには、血行を良くして冷えを改善することが必要です。

 

冬は冷えないように、靴下や腹巻きをして温かくするなど気を使っていることも多いのですが、実は夏の暑い時期も要注意。

エアコンの効いた部屋にこもっていたり、冷たいものをたくさん飲んでいると、体も冷えっぱなしになってしまいます。

意識して、生姜、冬野菜、根菜など、体の温まる食べ物を日頃の食事にとりいれることで、冷え症は改善できますよ。

 

また、こまめに水分補給をすることも、血行をよくするためには大切です。母乳の生成のために必要な水分も摂取する必要があるので、妊娠前よりも意識して多く水分をとりましょう。

常温の水、または白湯、ノンカフェインのお茶、ハーブティーなどを、授乳前後に飲むように習慣づけるといいですよ。

 

まとめ

筆者が長女を出産後、まだ母乳が出てくる気配がまったくなかった時期、助産師さんから「さすが若いわね~」と言われていたのは、同じ日に出産した20歳のママでした。

産後3日目頃からすぐに母乳が出るようになって、ピューっと搾乳した母乳がタオルを濡らしていた若いママを見て、あ~、私はおばちゃんだからしょうがないのか・・・と思ったものです。

 

でも、お金がなくって、ミルク代が惜しくって、どうしても母乳育児をしたかったので、とにかく必死でした。

友人にすすめられた母乳に良いというハーブティーを飲み続けながら、赤ちゃんに吸わせ続けながら、努力した結果、3人の子どもをほぼ完全母乳で育てることができました。

 

高齢出産だと、若いママに比べて体力という面はハンデがあり、母乳が出にくい状況には陥りやすいですが、やり方によってはなんとかなるもの。

ハードな妊娠生活と出産を乗り越えることができた身体なら、赤ちゃんを育てるための母乳だって出るようにできています。

 

美味しいものを食べて、休めるときは休んで、ストレスを溜めないことが母乳育児を成功させる鍵。

体力では若いママには勝てないかもしれないけど、人生経験が長い分、知恵と要領のよさがあります。リラックスして楽しみながら母乳育児ができたらいいですね。

 

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