赤ちゃんと過ごす授乳時間は、穏やかなものというイメージがありますが、ときに、手足をバタバタさせて暴れて落ち着きがないときも。いったいなぜ?と困惑しているママも多いのではないでしょうか。
泣いている赤ちゃんにとって、おっぱいは落ち着くための精神安定剤であるはずなのに、暴れて思うように授乳ができないと、ママもどうしたものかと焦ってイライラしてしまいますよね。
赤ちゃんが授乳中に暴れるときは、たいてい不快を感じているとき。この赤ちゃんを不快にさせている原因を取り除いてあげると、穏やかに授乳することができます。
今回は、授乳中に赤ちゃんが暴れるのはなぜか、母乳を飲む赤ちゃんを不快にさせている原因とその対処法をご紹介します。
Contents
授乳中に手足をバタバタさせて赤ちゃんが暴れる原因
妊娠中のエコー画像で見たこともあるママも多いと思いますが、赤ちゃんはお腹の中にいるときから手足をバタバタさせています。
まだ言葉で意思表示をすることができない赤ちゃんが、手足バタバタと暴れるのは自己主張の方法の一つ。
赤ちゃんが授乳中に手足をバタバタと落ち着きなく暴れているのも、ママに伝えたいことがあるから。赤ちゃんが暴れる原因をみていきます。
母乳が出過ぎている
母乳の出が良すぎても、不足していても、赤ちゃんは暴れます。特に低月例のうちは、母乳の出る量と赤ちゃんの欲しがる量という、需要と供給のバランスが確立していない時期。
母乳の出が良すぎると、赤ちゃんがアムアムとあごを動かして吸ったあとに、ひと休憩をしているときにも、勢いよく出続けていることがあります。
授乳中に暴れている場合は、赤ちゃんが飲むペースよりも多く、母乳が赤ちゃんの口の中で溢れてきて、一気飲み状態になり、びっくりしているときかもしれません。
思いあたるママは、一度、赤ちゃんの口を乳首から外してみて、それでも母乳が出続けていないかどうか、確認してみるといいですよ。
母乳が不足している
逆に、母乳が不足しているため、吸ってもチョロっとしか、おっぱいが出てこないと、お腹がなかなか満たされずに手足をバタつかせて暴れることも。
母乳は出ている量を把握することができないですよね。昨日まで母乳が順調に出ていたとしても、疲れやストレスがたまっていたり、水分や栄養が足りていないと、突然、母乳が出にくくなることがあるので、要注意です。
母乳が出ているか不安になったママは、いちど搾乳してみて、母乳が十分分泌しているかどうか、確認してみてもいいですね。
参照:母乳が足りているかわからないと悩むママに伝えたい4つのサイン
もうお腹がいっぱい
赤ちゃんがグズっているから、とりあえずおっぱいをあげても、泣いている理由は、おっぱいが欲しいからではないことがあります。
もしかしたら、眠かったり、抱っこして欲しかったりして泣いていたのかもしれません。ただ、赤ちゃんは、おっぱいが口の前にあると反射的に飲んでしまうもの。
大好きなお母さんに抱かれて、おっぱいを飲みながら寝てしまい、しばらくするとまた目をつぶったままおっぱいを吸い始めて、これを繰り返すことありますよね。
そうこうとしていると、お腹がいっぱいで張って苦しくなってくるので、手足をバタバタさせたり、うなったりすることも。
生後3カ月頃までは、赤ちゃんの満腹中枢が発達していないので、それまではおっぱいは、あげたらあげるだけ飲んでしまうこともあり、ときに吐いてでも飲み続けます。
「もうおなかいっぱいだよ」と言えない赤ちゃんなので、授乳時間が長い場合は、いったんおっぱいを離して様子をみてあげるといいですよ。
授乳中にゲップをしたくなった
月齢が低い赤ちゃんは、まだ母乳を飲むのが下手なので、量をまだ調整できずに母乳が出てくる勢いに合わせてゴクゴク飲みます。母乳を飲むのと同時にたくさんの空気を飲み込んでいるので、実は授乳途中のゲップも重要。
お腹が空いていると、最初に勢いよくかなりの量が飲んでいるので、ペースが落ちてきたなと思ったらゲップを出してスッキリさせてあげてから、もう片方のおっぱいにいきましょう。
また、前の授乳時にゲップが出ていなかったら、授乳前にもういちど背中をさすったり、優しくトントンして、ゲップが出ないかどうかいちど確認。お腹に溜まっているガスを抜いてあげるといいですよ。
授乳中におしっこやうんちをしたくなった
大人でも、何かを飲みながらとか、ガムを噛みながらとかだと、排泄に集中できませんよね。赤ちゃんも授乳しながらだと、おしっこやうんちをしたくなったときに、スムーズに排泄できず手足をバタバタさせることがあります。
赤ちゃんって母乳を飲み終わったあとに、おしっこやうんちをすることが多くありませんか。母乳によって胃腸が刺激されて、尿意や便意をもよおしているために、「おしっこしたいよ~」と手足をバタつかせて、アピールしているかもしれません。
おっぱいを飲むのに集中できない
外出中だからこそ落ち着いてスムーズに飲んでほしいときに限って、赤ちゃんが授乳中に暴れることはありませんか。
筆者の子の場合、外で授乳ケープを使って授乳させると、手足をバタバタとさせ、ケープをめくってしまい、焦らされることがよくありました。ママの顔が見えない薄暗いところでの授乳に慣れず、落ち着かなかったようです。
いつもと環境が違い、周りが騒がしいなどで、おっぱいを飲むのに集中できないときも、手足をバタバタさせてアピールすることがあります。
生後4ヶ月頃を過ぎると、首が座り、目もよく見えるようになってくると、周りの環境に興味を持ち始める頃。この頃になると、授乳タイムなのに落ち着きがなくなることが増えてきます。
そんなときは、できるだけ、静かないつもの環境で、おっぱいをあげるようにしてみてください。外出中にケープを使ってあげることが多いママは、家であげるときも授乳ケープをあげてその環境に慣らしてあげるといいですよ。
授乳中に赤ちゃんが暴れるときの対処法
赤ちゃんが授乳中に手足をバタバタさせるなどして暴れるのには、さまざまな理由があります。ここでは、落ち着いて授乳をするための対処法をご紹介しましょう。
母乳が出過ぎているときは
授乳の時に赤ちゃんの口まわりや服に母乳が飛び散っていることがあるなら、それは、赤ちゃんが飲む量に対して母乳が出過ぎているのかも。
赤ちゃんの需要と母乳の供給量が合ってくると、この問題は解決します。それまでは、母乳が勢いよく出てくるのを防ぐために、授乳の前に少し搾乳をしておくといいですよ。
ただし、搾乳のしすぎには要注意。おっぱいが、たくさん母乳を必要していると勘違いして、より出過ぎるようになってしまう危険が。あくまでもおっぱいの張りがおさまる程度にしておきましょう。
母乳不足を感じるときは
おっぱいの出が悪い時は、まず授乳前におっぱいマッサージ。授乳中にも、赤ちゃんを支えている反対の手で、乳房をマッサージしながら、乳首に加えて圧を加えると、母乳が出やすくなることもあります。
また、くわえ方が浅いと母乳の出も悪くなるので、赤ちゃんがしっかりと乳輪部まで深くくわえているかどうかも確認してみましょう。
母乳不足を感じているママは、普段の生活の中で食事バランスを改善したり、水分をしっかりととることで、徐々に母乳も増えてきますよ。
参照:産後1ヶ月過ぎー母乳が十分出ない、頻回授乳でも量が増えないのはなぜ?
いったん授乳をやめてなだめる
授乳中に赤ちゃんが暴れるときは、いったん飲ませるのをやめて、背中をトントン優しくたたいたり、立ち上がって抱っこするなどして、赤ちゃんが落ち着くのを待ちましょう。
このときにゲップを出させてみたり、他にも赤ちゃんを不快にさせている原因、オムツが濡れていないかなどを確認してみてください。
もし、すでに赤ちゃんのお腹が満たされている場合、しばらくなだめて落ち着かせたら、おもちゃなどに気をとられて、もう母乳を欲しがらなくなったり、場合によっては眠ってしまったりも。
まだ口をパクパクとして、母乳を欲しがるようであれば、しばらく抱っこしながら落ち着かせてから、再度授乳してみるとスムーズに飲んでくれることが多いですよ。
落ち着いて授乳できるように、環境を整える
赤ちゃんに落ち着いておっぱいを飲んでもらうには、授乳中の環境を整えることも大切。周囲の音がうるさいと、赤ちゃんも飲むことに集中できません。
テレビをどうしても見たいときは音を小さくするなどして、できる限り静かな環境で赤ちゃんがママのおっぱいを飲むことに集中できるようにしてあげるといいですよ。
もし、外出先などでの騒がしい場所で授乳をせざるを得ないとき、赤ちゃんが落ち着きなく暴れるようなら、その時間の授乳をあきらめてしまっても大丈夫。お腹が空いてきたら、周りの環境がどうあれ、気にせずに飲むのもです。
ママも落ち着いてゆったりとした気持ちで授乳する
また環境だけでなく、ママの気持ちが落ち着いていることも大事。ママがイライラしていたり、他のことばかり気をとられていると、赤ちゃんにも伝染して伝わってしまうことがあります。
例えば、授乳中にママがスマホばかりを見ていたりすると、赤ちゃんも注意散漫になってしまいがち。
授乳中に時折、赤ちゃんが確かめるようにお母さんの顔をじっと見ることありませんか。「あっ、お母さんが見てくれている」と思うと安心して飲み続けるし、あまりにも視線が合わないと不安になって暴れて、気を引こうとすることも。
ママは、授乳中に赤ちゃんに集中できるといいのですが、といっても授乳タイムって、忙しいママが唯一座って雑用ができる貴重な時間だったりもしますよね。
ちなみに、あまり大きい声では言えませんが、筆者は、よく授乳タイムを友人へのLINEの返信や、ネット検索の時間にあてていました。でも、そういうときってやっぱり赤ちゃんも落ち着きがなかったんですよね。
赤ちゃんが寝てしまっているときはそこまで気にしなくてもいいのですが、せめて、赤ちゃんが目を開けておっぱいを飲んでいるときは、ママも赤ちゃんに集中してあげてください。
我が子のかわいさに幸せホルモン「オキシトシン」が溢れてくるはずですよ。
まとめ
赤ちゃんが授乳中に手足をバタバタさせて暴れたり、落ち着きがなくなったりするのは、何かをママに伝えたいから。
そんなときに、ママがイライラしたり焦ったりして、無理やり授乳をしようとすると、赤ちゃんにもそのイライラが伝わってしまいます。
授乳中に赤ちゃんが手足をバタバタとさせても、それが毎回でなければ、さほど心配する必要はありません。
まずは赤ちゃんを不快にさせている原因を探って、それを解消してあげてください。
色々試しても、頻繁に赤ちゃんが授乳のときに暴れたり泣き続けたりして、いつもと様子が違うと感じたら、もしかしたら赤ちゃんの体調が悪いのかもしれません。
そんなときは、母親の勘を信じて、念のため小児科で診てもらうといいですよ。何もなければないで安心できます。
子育て時期の全体から考えたら、授乳期なんてほんのわずかな短い間。赤ちゃんが授乳中に暴れていたことも、懐かしく思えるものです。貴重な赤ちゃんとの時間を楽しんでくださいね。
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