赤ちゃんが母乳を嫌がる、飲んでくれないというのは、新生児から生後1ヶ月頃によくある悩みです。たくさん母乳をあげたいのに、まさかの直接母乳拒否。
最初は頑張って吸おうとしてくれていたのに、ミルクを足して混合栄養にしていると、急に母乳を嫌がるときも。
おっぱいをあげようとしたら背をのけぞるなどして、明らかに嫌がられるとママは悲しくなってしまいますよね。
そんなときは、赤ちゃんがおっぱいを飲んでくれない原因を知って、正しい方法で根気よく対処することで、母乳育児を成功させることができます。
赤ちゃんが母乳を嫌がる理由は様々ですが、今回は考えられる原因と、それぞれの対処法をご紹介します。
Contents
赤ちゃんが母乳を嫌がるのはうまく飲めないから
赤ちゃんは、母乳を飲みたいのに飲めないときに嫌がって拒否することがあります。それでは、赤ちゃんが母乳をうまく飲めないときは、どんなときでしょうか。
乳首が原因で飲みにくい
乳首や乳輪部がかたかったり、陥没乳首・扁平乳首などで、ママの乳首がくわえにくいと、赤ちゃんは口に深く含むのが難しいため、授乳を嫌がることがあります。
赤ちゃんが少しでもくわえやすくなるように、授乳前に乳首や乳輪部をマッサージして、やわらかくしておきましょう。
目指すは、耳たぶくらいのやわらかさ。痛いときは、無理をせずに少しずつやるといいですよ。
また扁平、陥没ででうまく授乳できないときや乳首が小さすぎて、乳頭保護器を乳首にかぶせて授乳を試す方法も。
薄いシリコンゴムの保護器を通して圧力がかかることで、母乳をしぼり出しやすくします。使っているうちに乳首がやわらかくなって伸びてきて直接授乳できることも多いとか。
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母乳が出過ぎて苦しい
ママの母乳の分泌が良すぎる場合、赤ちゃんが母乳を飲み込まないうちに、どんどん量が出てしまい、むせてしまいがちになります。
そうすると赤ちゃんは苦しくなってうまく飲むことができません。おっぱい=苦しくなるものと認識してしまうと、授乳前から嫌がることも。
赤ちゃんがむせてしまううちは、授乳の前にある程度母乳を搾乳しておき、母乳の勢いがあまりなくなってから飲ませるようにしてみるといいですよ。
3-4ヶ月頃になって、赤ちゃんの需要量と母乳の供給量が安定してくると、搾乳しなくても、ゆっくりと赤ちゃんのペースで飲めるようになります。
お腹がすいているのに母乳があまり出てこない
産後、母乳の出があまりよくないと、赤ちゃんがお腹を吸っているときに母乳がなかなか出てこないため、授乳を嫌がることがあります。
筆者が長女を出産したときは、まさにこのパターン。最初はあまり出ていなくてもあきらめずに吸ってくれていましたが、ある日突然、おっぱいをくわえさせたとたん「これじゃないよー」といわんばかり、怒ってギャン泣き。
おっぱい=吸っても出ないものと認識してしまったのでしょうね。自分が母親であることを否定されたような気すらして、悲しかったのを覚えています。
母乳の出をよくするために、頻回授乳をしなくてはならないのに、赤ちゃんが母乳を飲むのを嫌がって授乳できなかったら、どうしたらいいものか、と困ってしまいますよね。
そんなときは、おっぱいをあげる前に少しだけミルクを足してあげて、お腹の空いている極限状態を解消してあげて落ち着かせてから、母乳をあげるとおっぱいに吸いついてくれることがあります。
母乳をあげる前にミルクをあげるのは、あくまでも少しだけ。お腹が満たされてしまうと、余計に飲んでくれなくなってしまいますからね。
産後、母乳がまだあまり出ないママも、必ず十分に出るようになります。
体を温めて水分をしっかりととりつつ、なるべく休めるときは身体を休めながら、できる限り赤ちゃんに吸ってもらえるようにしましょう。
参照:産後に母乳の出ない原因は?いつから出る?焦らなくても大丈夫です
授乳時に居心地が悪い
しっかりおっぱいを吸って欲しいがために、赤ちゃんの頭の後ろを押して、無理やり乳首に吸い付かせたりしていませんか。
授乳のときの姿勢が嫌だったり、その姿勢で嫌な思いをしたりすると、授乳の姿勢になったとたんに嫌がってぐずってしまうことがあります。
授乳時に、お母さんが楽な姿勢とそうでない姿勢があるように、赤ちゃんにとってもおっぱいを吸うのに居心地のよい姿勢でいられることがポイント。赤ちゃんの抱き方を工夫すると上手におっぱいを含んでくれることがあります。
横抱きでうまく飲めなくても、脇抱きや縦抱きに替えるなど、赤ちゃんにとっても、おっぱいを吸いやすい姿勢を見つけてみましょう。
混合栄養で急に直接母乳を拒否するようになることも
直接母乳を最初はできていたのに、混合栄養の場合でミルクを足す回数が多いと、ある日、突然おっぱいを拒否することがあります。このようなことを「乳頭混乱」と呼びますが、ここではその理由と対策をご紹介します。
乳頭混乱とは
「乳頭混乱」とは、そのことばのとおり、赤ちゃんがおっぱいと哺乳瓶の区別がつかなくなり、混乱してしまうこと。
哺乳瓶を嫌がることもあれば、母乳を嫌がるようになることもあります。なぜなら、ママの乳首と哺乳瓶のシリコンやゴムの乳首は似て非なるものだから。
母乳を直接飲むために、赤ちゃんはただ単に吸うだけではなく、顎の筋肉も使い、舌を乳首に巻きつけながらという、実は複雑な技を駆使しています。
一方で、一般的な哺乳瓶の乳首は、赤ちゃんが小さな力で吸うだけで出てくるので、哺乳力がまだ強くない新生児でも、哺乳瓶からであれば、くわえ方が浅くても、ゴクゴク飲めてしまうんです。
簡単に飲めてしまう哺乳瓶に慣れてしまった結果、ママの母乳を飲むための複雑な労力を放棄してしまったり、どのように飲むか自体を忘れてしまったりすることが。
そうなると、ある日突然直母を拒否。哺乳瓶を口元に持っていくと、「そうそうこれが欲しかったの」っというかのように、哺乳瓶の乳首をガシっとくわえて飲み始めるのです。これが乳頭混乱です。
再び赤ちゃんに直接母乳から飲んでもらうためには
でも、せっかく母乳が出始めたのに、直母ができないって切なすぎますよね。
再び赤ちゃんに直接母乳から飲んでもらえるようにするには、まず、哺乳瓶の乳首を見直すこと。なるべくママの乳首に近く、母乳と同じように顎を浸かって飲むように工夫されたものを選ぶようにする必要があります。
日本の製品でよく知られているのは、「ピジョン」という会社が開発した母乳相談室という哺乳瓶。母乳と哺乳瓶のギャップが少なくなるように作られた哺乳瓶だそうです。
また、なるべくミルクを足す回数を減らすほか、おっぱいに吸いつきやすいよう、授乳前にマッサージして柔らかくしておいたり、出来ることからはじめるといいですよ。
筆者のまわりには、赤ちゃんが眠たいときにおしゃぶりを与えて乳首へとすり替えて、おっぱいに慣れさせていったというママもいます。
直接母乳で飲んでもらうために努力をしはじめてから、数日で乳頭混乱が治ったというママもいれば、数ヶ月かかったというママもいて、克服期間は人それぞれ。
そもそも、赤ちゃんが母乳を嫌がるようになったのは、哺乳瓶という飲みやすい選択肢を与えられたからであって、決して赤ちゃんが悪いわけではありません。
だから、赤ちゃんが哺乳瓶の乳首を好んでしばらく飲み続けたとしても、まずは暖かい目で見守ってあげて、直接母乳できる日を信じて、思いつめずに乳頭混乱を克服していけるとよいですね。
赤ちゃんが母乳を嫌がるときもママはリラックスして授乳する
赤ちゃんが母乳を嫌がるときに、ママは心が折れそうになったり、飲んでくれない赤ちゃんに対してイライラするときもありますよね。
だからといって、無理やり赤ちゃんの頭の後ろを押さえつけて飲ませようとしたり、必死に怖い顔でおっぱい飲ませようとしていたら、ママのストレスは赤ちゃんにだって伝わります。
赤ちゃんが母乳を嫌がっても、ママはリラックスして授乳をすることが、母乳育児が苦痛にならずに続けられるための鍵。
だから、赤ちゃんの母乳ボイコット中も、「ママのおっぱいの方が美味しいよ~」「頑張って飲んでもらえると、ママもすごく嬉しいよ~」など、やさしく話しかけながら授乳してみてください。
また赤ちゃんが、少しでも上手に母乳を飲んでくれたときには、褒めることも忘れずに!
言葉のわからない赤ちゃんでも、授乳のときに優しいママから励まされている雰囲気って、きっとわかりますよね。
それに、優しく赤ちゃんに話しかけることは、ママ自身がリラックスして授乳タイムを楽しむことにもつながりますよ。
まとめ
昔は、日本でもミルクや哺乳瓶なんてなかったし、今でも、ミルクを溶かすための安全な水が手に入らないから母乳だけで育てている国だって、まだたくさんあります。
そう、赤ちゃんが、ママの母乳を飲むのは生き抜くための本能によるもの。ただ最初は、ママがおっぱいをあげたり、赤ちゃんがもらったりするのが下手なんですよね。
結果、赤ちゃんが母乳を嫌がって飲んでくれないのは、赤ちゃんが「母乳が飲みにくいよ~」と言っているだけ。
赤ちゃんが飲んでくれないことにイライラして焦ると空回りして、母乳をあげること自体が精神的に苦しくなってしまうので、思いつめるのはやめましょう。
たとえ飲んでくれないときも、いったん深呼吸して、はいっリラックス!笑顔で赤ちゃんに話しかけてみてください。
大好きなお母さんの母乳に代わるものはありません。まずは、赤ちゃんが母乳を嫌がる原因を確認して、一つ一つできることから工夫していけば、母乳育児は必ず成功できますよ。
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